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かごの取っ手の修理

手編みのかごの販売を始めて以来、「壊れたり不具合が出たら、持ってきてください。無料で直します。」と言っています。

と言っても、そんなに持ってきてくれるヒトはいないもの^_^ そもそも大きなかごではマーケットまで持参するのも、後日取りに来るのも面倒でしょう。

まあ、安いし。壊れたらそれまでって思っても不思議ではない。

だからこそ「すみません、壊れちゃったんですけど直してもらえますか?」と持ってきてもらえるのは、大切に使ってくれている証でもあるので、とてもありがたいし、嬉しいことなのです。

で、大抵は、はて、言ってはみたもののどうやって「修理しようか?」と頭を捻ることが多いのです(^^;

私の作るかごの構造上、一番起こりやすい「壊れ」は、取っ手の付け根が折れる、というもの。よほどかご部分に比べて取っ手を頑丈に作るべきなのでしょうが、その辺は使い続けて見ないと未知数のこともあって。

とにかくとこういう壊れ方は、作り手の責任なのです。

で、先日のマーケットでいただいた修理依頼も、そのようなケースでした。
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あーそうか。綺麗だからと皮をむいたスイカズラを取っ手にしたのだけど、皮が付いていない分、つるがポキっと折れちゃったのね。もっと強くすべきだった。

早速取っ手強化用に近所から太いスイカズラのツルを調達。これで同じ素材は揃った。

悩んだのは、フレームの根元は、かごを編むときに一番最初に形作るところで、かごの大モトであり、そこまで解くには、かご全部を解かなきゃいけない…ということ。

しかしそれでは修理ではなくほぼ「編み直し」になってしまい、元々のバスケットと同じものにはならないでしょう。ほとんどの素材は「解く」という作業で傷んでしまい、改めて使うのには厳しい…そうなるとかご全体の色も素材も変化してしまい、「この風合いが良くて買った」と言ってくださる方には、落胆になってしまうかもしれません。

ということで、考えた末「ゴッズアイ」というフレームを止めている部分の周りだけを2日間、よくよく水につけて柔らかくしたのち、注意深く解いてみることにしました。
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そして折れた取っ手の奥の方から長めにスイカズラの新しい取っ手用の太いツルを2本追加。その上を太めのアケビのつるを使って固めのゴッズアイで締めあげる。
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編みたての時の強度と比べると若干構造上は劣るかもしれませんが、そこは追加したツルの太さと数、そして取っ手の他のところの強度を増すことでカバーできるよう試みました。ちょっとわかりづらい写真ですが…
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とりあえず形になってホッとしました。(自分で『修理します!』って言ったくせに) この間のマーケットでお預かりして以来ずっと気になっていたのでした。

さて、お客様が気に入ってくれるかしら…。  

by nicecuppatea | 2019-04-17 18:27 | Willow Cottage
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