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編めるツルとは ー② ツルの部位

何やらものすごくマニアックなタイトルになってしまいましたが…今日は同じ植物の「ツル」でも部位によって、扱い易さが違うという点。今日は「ツル」だけにしておこうと思います。「枝」はまた、別の世界としていずれ(^-^)

自然のツルを集めてかご編みの素材にしようとするとツルのどの辺をどう扱うかはかなり重要に思います。例えば、「アケビは編める」と言うけれど、同じアケビでも植物の「どこ」を使うかで強さも編みやすさも全然違ってきます。

まず、かご編みに一番使われて、一番編みやすいのが「ランナー」と言われる地下茎。高級な民芸品として見かけるアケビのかごはみな、このランナーを利用しています。
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これは地を這うツルが節から根を伸ばし出しているようないわば、根っこと茎の中間みたいな特徴を持ったツルです。まっすぐ長く伸び、しなやかで、太さも均一。あみ素材として最高ですが、グネグネ感がなくて、私にはむしろ市販素材のようでちょっと面白みにかけるようにも。

ランナーは、アケビ、スイカズラ、ヒメツヅラフジ、クズなど多くのツルに見られ、大抵は落ち葉の下や地表にごく近い地中を電線にように這っています。どこか一ヶ所見つけて引っ張るとツルツルツル〜っと長いランナーが地表に姿を現します。うちではこの状態を「走った!」と形容しており、アケビなどでこれが出現すると旦那と二人で一種の興奮状態に陥ります(^-^)

均一で長く頑丈なので、バスケットの骨格を影響して、強度を必要とする「ゴッズアイ」の部分に欠かせません。

それより上で地上で上に伸びているツルを使う場合は、地表に近いところほど伸びてから時間がたっており、先っぽより繊維質が固くて、大抵比較的編みやすいところです。

それよりさらに上で枝分かれをしだした「枝」部分になると「編める」と言われるアケビなどもかなりゴツゴツして、節々で折れやすく、表皮も少しの刺激でむけやすくなります。そんな枝でも使いたい時は、編み芯の真上や折り返しなどにちょうど節が当たらないようにツルを配置して編むこと。また表皮がむけやすいツルはいっそのこと全部むいちゃってから編むとマダラになるよりキレイです(^-^)
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ツルの先っぽは、まだ成長中で水分含有量が多いので、あまり編むのには向きません。例えばアケビや葛の新芽などなら柔らかくて食用になるくらいですからね。かご編みにはコシが足りないですね。採ってすぐのツルをポキっと言ってみてすぐ真っ二つに折れるところまではあらかじめ取り除いておきます。その部分から下のまだグリーン部分を使いたい時はよく乾かしてから使います。水分を多く含んでいるので乾くとものすごく細くなることが多いです。

さて、ツルはそのまま編むだけかというと、たいていの場合は、皮をむき内側の白い部分だけで編むこともできます。皮はけばけば、ボロボロとむけても、ツルの芯はヒビひとつ入らずしなやかなまま、というケースも多いです。特に皮がむけやすい夏に採ったツルなどはその方が仕上がりがきれいだったりもします^ ^

で、ヤマブドウや葛は、ツルの皮をむくと、その皮の部分も使えるんですよ♪

ヤマブドウは、その「皮」の方が高価な民芸品になったりしますからその優秀さは今更私が語るまでもありませんね。でも私は皮をむいた後の芯の方もスムーズかつしなやかで好んで使うものの一つです。

まあとにかく、なんでも、どの部位でも使える、というのが今日再びのポイントでしょうか 。こんなに長い文章で、なんか結論は、いつも一緒ですみませんσ(^_^;)

by nicecuppatea | 2018-03-07 18:38 | 編み素材集め
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