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自分はどれほど輝ける?

先日、会社の現場で、投資家向けの英文資料に載せる写真の撮影がありました。

カメラマンさんは米国から来日し、日本人のモデルさんも入っての撮影だったので、その日は通訳として一日現場に同行することに。

さまざまな現場の通訳に接する機会がありましたが、プロのカメラマンさんが現場で人物の撮影するのに居合わせたのは初めてでした。

カメラマンさんの微妙なリクエストに答えて、自然で、あたかも動いているような表情や笑顔のまま「制止」できるモデルさんの「技」、初めて見た^^

でも、もっと驚いたのは、モデルさんでもない、普通の社員が、普段働いている職場で、カメラマンさんにとってもらった写真。

「プロが、プロの機材と技を使って撮った写真だから綺麗にとれるでしょ」、と、たいがいの人はいうかもしれません。でも、私は「いや、そんな簡単なことじゃないでしょう」と思うほど、その写真に心を動かされたのです。

写真のことなんて何も知らないけれど、きっと光の加減や、色、シャッターのスピードなど、まず、「周りの環境」を最新の注意を払って最善に整えるのでしょう。

そこへ、自身もカメラマンさんであるアシスタントの人が、被写体となっているパートさんに、色々と声をかけるんです。「楽しかった時のこと、思い出してみましょう」「あっ、今の表情、すっごい綺麗ですよ!」などなど。

社員のほとんどは主婦のパートさん。おそらく、あまり普段「今の表情、すっごく綺麗!」なーんて言われる機会はないことでしょう。もっといえば、忙しく立ち働いている職場で、上司の人、お客様に、感謝の言葉や、おほめの言葉をもらう機会がどれほどあることでしょうか。

そんなことをして出来上がった写真は、おそらくその人の「最高」の瞬間を切り取った写真。
それを見た、女性のパートさんは、「私がこんなに綺麗にとってもらえるなんて・・・」といって涙ぐんでいました。

自分でも考えたこのとなかった、自分の美しいところ、見る事ができたんでしょうね。

たかが写真と思うなかれ。

同じだと思うんですよね、他の事も。回りの環境を整えて、その人の潜在性が外に出てくるように、その人の良いところを見つけて、それを声に出して本人に伝える・・・そうすることで、自分でも信じられないくらいの、自分の持っている「良いところ」って、外へ向かって発揮されるんじゃないでしょうかね。

会社にいると、えてして「これができていない」「あれができていない」「これではだめ」「もっとこうして」というような言葉ばかりが耳に入ってきます。自分にも、他人にも。
でも、本当は、その人が自分の潜在能力を、自分でも驚くぐらい、最大限発揮できて初めて、組織も最大限能力を発揮できるもの。

そう考えたら、組織うんぬん、て言う前に、どうやったら「この人」が一番幸せになるんだろう、どうやったら持ちモノが最大限発揮できるだろう、って回りの人が考えて、それが発揮できるような環境を整えたり、引き出してあげよう、って思う事が、ホント、大事だよなー

・・・なんてことを、写真をみて、考えたのでした。
by nicecuppatea | 2012-02-19 20:03 | 会社でのこと(通訳)
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