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昭和のにおい

先日、昨年90歳を過ぎて亡くなった祖母の「形見分け」ということで、30年以上住んでいて、家にあるとは知らなかった祖母の持ち物を、いくつか実家から持ち帰る機会がありました。

「ほしいものを持って言っていいわよ」といわれ、祖母の狭い部屋の押入れを物色。

桐のたんすの底に敷いてあったのは「昭和5年」の新聞。また、古い寄木細工の裁縫箱の中からは、くすんだプラスチックのレトロな針箱や、象牙でつくったらしい和裁用の「へら」、木製の糸巻き、貝ボタンなどがでてきて、畳の部屋に広げてみると、あたかも時が止まったような空間になりました。
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持ち帰ることを決めたのは、桐たんすと、レトロな小物を一杯つめた裁縫箱、木製のお盆や、正統派のドロボウが使うような唐草模様の風呂敷、竹尺、おばあさんが和服を打ち直してつくったと思われるちゃんちゃんこ、未使用だけどデザインがレトロな真っ白の割烹着、などなど。

「おもしろい趣味だな」と父からは揶揄されましたが、古いものには、懐かしさ、重み、自然のものと調和して、何か心を落ち着かせてくれるような色調など、ワンコインショップで買う日用品には決して真似できないものが沢山詰まっています。
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それに、自分で使ったことはなかったとしても、何だか自分自身の歴史の一部のような気もして、ここで手放したら、今後二度と出会うことはない・・・と思うと、なんとしても自分が持ち続けなければいけないもののようにも感じたのです。

古材で作った本棚や、藤で編んだバスケットをおいた部屋に一緒においてみると、なんだかとてもなじみが良い。鉄道に乗ってたおじいさんが使っていた、古い業務用革バッグも掘り出してきて、それも置いてみると、とても居心地のよい空間になったような。
by nicecuppatea | 2012-03-07 21:46 | もったいない | Comments(2)