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新たな素材でバスケットを

私が初めてバスケット編みを習ったのは、イギリス南部で地元の環境保全ボランティア団体が主催する、森林保全の様々な技術のトレーニングコースのひとつでした。

「環境保全でバスケット編み?」と思われるかも知れません。

イギリス南部に広がるのは、人の生活と共に昔から存在してきた、いわゆる雑木林のような森です。それらは、人の手が入らなくなると荒廃してしまいます。 へーゼル、ホーソン、ウィロー、メープルなどの木の枝は、イス、家畜用のフェンス、ホウキ、バスケット、薪、と様々な形で利用されてきました。

中でもしなやかな枝を持つ、へーゼルやウィローは、フェンスやバスケットを編む素材として重宝されたため、定期的に伐採と萌芽を繰り返され、森の手入れに一役かっていました。それがために「バスケット編みも環境保全に関わる技術のひとつ」という理論が成り立つわけです^^

イギリスは日本よりかなり緯度が高く、植生は日本の野山とは随分違います。日本ではよく見られるアケビや葛などはみられず、バスケットづくりには主にウィロー(ヤナギ)が使われます。私が習ったのも、ウィローを使ったフレームバスケットでした。

素材としてのウィローの魅力は、なんといっても色にバラエティがあり、細くても太くても強くしなやかで、乾くと見事な光沢が残ること。南西部のサマーセットなどに行くと、バスケット編みの素材として、ウィローを栽培している「ヤナギ畑」が延々と広がっています。

一方、日本の川原でヤナギを探してみても、同じようなものはなかなか見当たりません。その代わり土手は葛の青々とした蔓で覆われていたりして。

葛も魅力的なバスケット編みの素材です。太く、やわらかく、ごつごつした特長を生かし、ざっくり、ラフに、大き目のものを編む、というのが主な使われ方です。確かに、太くてやわらかくて、あっという間に編めるので、野菜入れ、マガジンラックなど、大きくてラフな感じがあうバスケットにむいています。
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でも、そのほかにも使い方ってあるんじゃないかなぁ。

と、英語でKudzuと入力してバスケット編みの情報を探してみると、アメリカのサイトで、皮をはぎ、真っ白でつよい繊維をつかって、アパラチアの伝統的なバスケットを編む工夫などが見つかりました。早速実践!
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本来、葛はアメリカにあった植物ではなく、東洋から持ち込まれて広がった、いわゆる「外来植物」。それを刈り取って有効にバスケット編みにつかっているのだから、ここでもバスケット編みは環境保全に貢献しているかも^^
by nicecuppatea | 2012-04-11 21:02 | Willow Cottage | Comments(2)

アオツヅラフジのバスケット

最近、週末のランニングで、今までと違う、森のような公園を走るようになりました。アップダウンも豊富で、あたかも山の中のような雰囲気。県下有数の高校駅伝チームなども、バスを仕立てて練習にきているのが見られます。

一応、私もダンナも、そこをランニング。1時間かけてゆっくり10キロほど走った後は、車に待たせておいたピーチをつれてあと1周、2キロの散歩。

その際、私はハサミ片手に、アオツヅラフジの細いツルを探します。これが、細いけれどなかなか丈夫。巻きついている木を絞め殺すように食い込んでいるものもあります。こういう巻きヅルは、バスケットを編む時には、他にはないアクセントになるので、取っ手などに使います。

デザインのアイデアが湧いたらすぐにやりたくなるタチで、翌日からさっそく様々な「あき時間」を利用して、バスケット製作にかかりました。

会社のお昼休み、お風呂で湯船に浸かっている間、通勤電車を待っている間。もう完全に不審者ですが、そのへんはもう。

あまり実用的じゃないかもしれないけれど、ドライフラワーとか木の実をいれたら、合わないかな。

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by nicecuppatea | 2012-04-03 20:30 | Willow Cottage | Comments(0)

樹皮の採集

最近、週末になるとひとしきりバスケット編みにいそしんでいますが、いそしんでも減らないほどに材料を集めている事も事実。私には貴重なバスケットの「素材」ですが、普通の人から見たら、庭木の剪定カスをまとめた「可燃ゴミ」と見えることでしょう^^

中には、素材として使うためには、手をかけなければならないものもあります。

その一つが「樹皮」。

この一帯の庭木を世話している庭師さんにお願いして、冬の剪定ででた、杉やモクレンのまっすぐな枝(小枝のでてないヤツ)を分けてくれるよう頼んだところ、数日後、玄関前に枝の山が。

これから「樹皮」をはいでバスケット編みの材料にしようと思っていたのです。去年、剪定後にもらったイチョウやモクレンの枝からきれいに樹皮がはがれ、とても扱い易いバスケット編みの材料となったので。

ところが、同じように樹皮をはいでみようとすると、これが全くはがれません。樹皮を使ったバスケットについて書いてある本を様々めくってみると、ひとつ、はっきりわかったことがありました。

そうか、冬の枝の皮ははげないのか。

私が前回樹皮をはいだのはまだ夏でした。その時期、木々は盛んに樹液をだして、根っこからそれが上がってくるので樹皮と幹の間に樹液が多く通っていて、つるりと皮が剥げるのだとか。

さながら風通しのよい夏服、といったところか。

冬場の木々は、いわば休眠状態で、樹液も上がってこないのだそう。だから樹皮と幹がぴったりついていて、うまく剥げないのだそうです。

さながら保温効果の高い機能性肌着、といったところでしょうかね。結局、強引にナイフで、樹皮を削る羽目になりました。なんだか申し訳ない。

あまり綺麗じゃないけど、短くて細い、樹皮のテープで、シダレヤナギのフレームの上につくったバスケットがこれ。ちょっと無理やり感が漂うなぁ。

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by nicecuppatea | 2012-04-03 20:23 | Willow Cottage | Comments(0)

ウィロー・スター

またクリスマスが近づいてきました。
前に「クリスマスイブ」でも書いたことがありますが、私にとっての「クリスマス」の強いイメージは多分に、イギリスに滞在した時に友人の家や、ささいな街中でのやりとりから経験したもので形作られたもののように思います。

「クリスマス」の宗教的な意味は色々とあるのでしょうが、私には平たく言うと、日々の幸せに感謝して、周りの人とそれを分け合ったり、感じあったりする時、という風に感じられました。

イギリスで印象深かったことの一つに、クリスマスに向けたお祝いの「準備」のプロセスがありました。

−とはいえ、イギリス人も日本人と同じように、昔に比べるとどんどん忙しくなって、「〜する暇がない」という人は増えているでしょうから、どれほどの人が、時間をかけてそんなことをしているか、定かではありませんが。でも、私が一緒に時を過ごした友人達の中には、そのプロセスを楽しみ、丁寧な時間を過ごしながら、クリスマスへ向けた時間そのものを楽しんでいる人がたくさんいました。ドライフルーツや洋酒を染み込ませた、ずっしりと重いクリスマスケーキやミンスパイを作り、数ヶ月も熟成させて「その日」を待つこと、12月になると1日づつ消しこみながらクリスマスを待つ、手作りカレンダーでのカウントダウンをすること、クリスマスツリーに飾るオーナメントを、手作りのクッキーにアイシングをして作ったり、森で探した小枝やツル、松ぼっくりで手作りすること。

何ということはない小さなことの積み重ねなのだけれど、何か心を満たしていくような、ゆっくりとしたプロセスでした。

カントリーサイドで里山保全の活動に携わっていた私が楽しみだったのは、保護地区のレンジャーが計画した、「クリスマス・クラフトの材料探しウォーキング」に参加して、子供達と寒い森の中へ入っていくことでした。イギリスの里山にはウィロー(ヤナギ)や、ハニーサックル(スイカズラ)、へーゼル(ハシバミ)といった、簡単に曲げたり編んだりできる木やツルがたくさんあります。12月にもなると大半をリスに食べられてしまっていますが、松ぼっくりやへーゼルナッツのような飾りになりそうな木の実もあります。12月は南部といっても寒く、暗く、じっとり湿っています。それでもウェリーとよばれる長靴をはいて、ジャケットやフリースを着込みあったかくして、葉が落ちて明るくなった森を散策しながら、材料を探します。

保水性に富むイギリスの林で沢山生えているヤナギの木。日本でよく見る「シダレヤナギ」のようにしなしなの枝のものより、太くまっすぐ上に枝を伸ばすWhite WillowやGray willowなどが一般的で、葉が落ちた後は、イエローやワインレッドなど色とりどりの枝が際立ちます。枝は硬く見えますが、これが驚くほどしなやかで、従順に曲がってくれるので、これをくるくる巻いてリースにしたり、4つほど折り曲げて星型をつくったりしたりします。できた星型の周りには、リースのように、松ぼっくりを飾ったり、ヒイラギの実をかざったり。

それがで作ったのが、ウィロー・スターと呼ばれるヤナギの枝でつくるお星さま。
簡単に作れて、とても素朴なウィロー・スターですが、クリスマスツリーに飾ると、もみの木の上にナチュラルなお星さまがとてもすんなり溶け込みました。

そんな寒くも楽しいクリスマスウォークを思い出しながら、近くの公園で、台風の後に拾ったシダレヤナギの枝でウィロー・スターを作ってみました。
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by nicecuppatea | 2011-12-05 20:51 | Willow Cottage | Comments(2)

スプリントバスケット

バスケットを編む素材は、およそなんでも使える気がします。

枝、ツル、葉っぱ、葉っぱの柄など。公園や林の中でおもしろそうなものを見つけると、まず手で曲げてみます。強いものも弱いものも、大きさや形によって「こんなバスケットなら使える」と考えるのが、また面白いもの。

今は、「樹皮」が楽しい。「スプリント」という、木の繊維を縦に裂いたものを使って編むバスケットがありますが、それと同じようにして木の皮もバスケット編みに使えます。

昨年の冬に、家の周りのイチョウの木を剪定していた庭師さんから、その年に伸びたまっすぐの枝、「徒長枝」をとっておいてもらい、家庭菜園に植えるトマトの支柱用に頂きました。ただ、表皮はなんだか爬虫類のようで、なんとなくもう一工夫ほしくて、表皮をむいてみました。

ゴワゴワの表皮の下の枝は、流木のようになめらかで、つややかな肌色で。むいた樹皮の裏側は真っ白でとてもしっかりしていました。

フレームに使ったヤナギは黒に近い茶色。そこに白っぽい樹皮を編みこんでいくと結構色のコントラストもでました。樹皮は湿っているうちは柔らかくて編みやすいけれど、乾くと木のように硬くなり、思ったよりもしっかりしたバスケットになりました。
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今年も、庭木の剪定の時期になったら、庭師さんを追いかけて、いろいろな樹木の樹皮でためしてみようと思っています。
by nicecuppatea | 2011-11-27 22:34 | Willow Cottage | Comments(0)

コットンボール

ここ数年、「和棉」を細々と育て続けています。

きっかけは数年前に訪れた「エコプロダクツ展」でした。キュプラという、綿花のタネのまわりにある短い「コットンリンター」なるもので作ったエコな繊維の紹介ブースを訪れたことでした。そのブースで「あなたもコットンを育ててみませんか」とタネを配っていたのをもらってきたのです。

家に帰ってきて、色々調べてみると、流通している綿花はほとんど輸入品、しかも普通に綿花を栽培すると、畑で育つ他のもの、つまり野菜と比べて、一説には約10倍の農薬を使うものらしい。

漠としたイメージしかわきませんでしたが、それを知って何となく、じゃあ、せっかく育てるのならば今は殆ど栽培されてないという和棉を、無農薬で育ててみよう、と思ったのです。

で、もらってきたばかりのタネを捨て(タネに罪はないのですが…)、和棉の普及に力を注いでいらっしゃる方から在来種「大島」のタネを分けて頂き、以来、毎年少しずつ育てています。

育ててみて初めてわかったことがいくつかあります。

まず、かわいい!

黄色いシフォンのような花が終わると、先のとがったイチゴ大の緑の実が付き、しばらくするとそれがパカッと割れて中から真っ白でほわほわの綿が顔をだします。どうも植物ではなく、どこか仔犬、仔猫などに通じる「生まれたての毛玉」的なかわいらしさ、というか。

で、かわいいから、と後先の計画なくたくさん育ててしまうと、その加工に頭を抱えることになります。それほど、綿の加工とは手が掛かる、ってことも初めて知りました。綿の中のタネをむしり取り、繊維をならして、糸をよる。それはそれは、気の遠くなるような作業なのだ、と。

で、今年は、手間をかけて糸をよるより、たくさんの人に、棉花のかわいらしち「毛玉感」を味わってもらおうと、枝に付けたまま、小さいブーケ風にまとめてみました。
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見て、愛でてから、それでほっぺたを付けて感触を楽しむ…、用途はそんなところでしょうか。有機無農薬栽培の和棉にしては、あまり付加価値のない使い方ではありますが^^;
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by nicecuppatea | 2011-11-15 22:10 | Willow Cottage | Comments(0)

素材あつめ

バスケットを編むというと、市販の材料で編む、というのが一般的かもしれません。

でも、身の回りを見てみると、少し工夫すれば自在に曲がってバスケットが編める自然の素材が身近にたくさんあります。なにより、タダ!

近所の公園にはさまざまなヤナギの木があります。くねくねとした「シダレヤナギ」でないと、編みこめないのではないかと思いがちですが、ヤナギの種類はどれもしなやかで、ネコヤナギなどを含むふつうの「木」の形をしているヤナギも十分柔らかく、従順です。

今年の春先、ポワポワの「花」がついたころ、剪定された枝を集めてみました。あらためて集めてみると枝だけでも、きれい。
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季節にかかわらず、雨や嵐の次の日は、そそくさと公園のシダレヤナギの木の下を見に行きます。おちた枝を拾い集めては、くるくる巻いて乾かします。これが、私のバスケット編みの主な素材となります。

葉が落ちた、秋以降にあつめた黄色っぽい枝は、時間が経って乾くと綺麗な飴色に。葉っぱがある時期にあつめた緑色の枝は、乾くと黒光りします。この色の違いも、人工的な素材にはない、妙だと思います。ウチの軒先には、大量のシダレヤナギの枝が、うずたかく積まれています。(八月の台風15号が去った翌朝、ドキドキしながら公園に行った私は、折れたり落ちたりした木を大量に発見し、心臓がドキドキするほど興奮して、折れたヤナギの枝を集めたものです^^;)
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さてこれを使って何を編もうか。色、太さ、長さ、すべてが想像力をかきたてます。
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by nicecuppatea | 2011-11-14 21:24 | Willow Cottage | Comments(0)

ビタースイートのバスケット

近くの公園で藪狩りをしたようで、ピーチの散歩道の木に絡まっていたビタースイートが刈り取られていました。

ビタースイートは日本名ツルウメモドキ。あまりバスケット編みには向かないツル、と本には書いてありますが、若干紫がかったつるに、金色の実の皮、その中には明るい明るいオレンジいろの実。こんな美しいコントラスト、そのままバスケットにしたら、秋をそのまま部屋に持ち込めそうな。
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つるはぼつぼつ、くねくねですが、無理に伸ばさずそのまままいてしまいます。ざっくり編んで、エッジには実がついたつるをそのまま編みこみました。
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この実、なんだか甘いらしくて、おいておくとピーチが食べちゃって、気が付いたら半分くらい食べられちゃいましたが^^
by nicecuppatea | 2011-11-13 21:29 | Willow Cottage | Comments(0)

Willow Cottage!

随分長いこと、お休みしてしまいました。。。

最近は遠距離通勤にもなれ、週末は田舎にどっぷりとはまり、近所の公園や川原からあつめてきたツルや枝で粛々とバスケットを編み続けていました。

家の中がバスケットだらけになってしまったので、外の軒下へテーブルをしつらえて、そこにいくつかバスケットを置いてみたところ、お向かいで週末に焼き菓子屋さんをひらいていらっしゃる「ガトーb」さんが、「売ってみませんか」と誘ってくださり、ささやかなテーブルを置かせて頂いて、そこににバスケットを置き、販売させていただくことに。

同時に、それまで集めつづけていたヤナギや松葉などの、「素材」も軒下にだしてちょっとデコレーション風に♪

Willow Cottage、と屋号なんかもつけちゃって。名前の通り、Willow(ヤナギ)をいっぱいためているCottage、ということで。

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これからため込んだヤナギや、クズ、木の樹皮などで小さいバスケットを気長に作っていこうとおもいます。

公園や、川原であつめた枝やつるだけをつかって作る小さなバスケットは、おしゃれでも、実用的でもない、かも。でもひととき部屋で楽しんで、楽しみ終わったらそのまま庭や野山に返してもらえれば、そのまま自然に帰っていく、そんなものであればいいと思っています。
by nicecuppatea | 2011-11-12 21:55 | Willow Cottage | Comments(0)