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平飼い鶏の卵、買います

最近、家で使う「卵」は極力「平飼いの鶏の卵」を買うようにしています。

自分で作った野菜を食べたり、その行程を自分で確認していると、スーパーなどで買う食材についても「これ、どんな素材からできているんだろう?どんなふうに育ったんだろう?」と気になり始めて、作ったり育ったりしている「その場を見たら食べたくなくなる」ようなものは極力食べたくないなぁと自然に思うようになってきたのです。

卵を産む鶏の環境…なんて昔はあまり考えませんでした。たまたま一昨年イギリスに遊びに行った時に、テレビを見ていると、毎日といってもいいくらい「養鶏場の標準」ということをニュースで論じているのです。

曰く、「一羽に対してA4判の紙よりも狭いスペースしか許されないような密度の高い買い方は動物倫理に反する」。スーパーで販売できる卵の生産場の鶏一羽あたりに与えられているスペースの基準を改善しようという議論だったように思います。

まあ、ひとつの議論の裏にはそれぞれ主張をする人たちの単純ではない思惑もあるのかもしれませんが、そこで聞いているバタリーファーム(屋内でたくさんの鶏を飼育している、いわゆる「通常」の養鶏場の風景かと思います)の状況というのは、「言われてみれば確かにひどい話だ」と思わされるものでした。本能に反して砂あびもできず、羽ばたきもできず、餌だけを食べ続けひたすら商品として卵だけを産み続ける…。鶏とは本来庭を歩き回りながら小虫や草やその種を食べるものなのでしょうが、そんな「鶏」生を送れる鶏は今や少数派でしょう。

そんな風に気づいたあと、日本に帰ってきて「平飼いの卵」をスーパーで探してみると、これが驚くほど見つけるのが難しいのです。値段の高い高級卵には「xxを飼料に与えた卵」とか「xxな環境で育った卵」という表示はあるのですが、情報をインターネットで公開しているところをたどってみたりしても「~な環境」は平飼いかどうかではなく、養鶏場自体が自然環境の良いところにある、ということだったり(^^

平飼いは「コスト的に合わない」という話も聞いたことがあります。でも驚くのは、「平飼いの卵」という商品の見つけづらさ。「値段が高い」のではなく市場にないということは需要、すなわちそういう卵を選んで買いたい、という消費者自体がまだ少ないということかもしれません。

件のイギリスの例は、消費者の関心の高さを表したものともいえるでしょう。正確には覚えていませんが、「xx年以降、スペースをきちんと取って飼育しない鶏の卵はスーパーで売れなくなる」というような議論をしていたと記憶しています。こちらもうろ覚えですが「60%の卵がバタリーファームからのもの、40%が平飼いのもの」とニュースで言っていたような。近くのスーパーの棚をみても、平飼いの卵を見つけるのは何ら無理がありませんでした。

アニマルウェルフェア(動物福祉)という言葉は日本ではまだあまり一般的な馴染みがない気がしますが、いづれ食べられてしまう動物であっても(無論、卵を産む雌鶏であっても)、きちんと尊重された一生を送ったものなければ…という考え方は、穏やかではありますが、その後の私の食べ物のチョイスを影響しつづけています。

最終的には、田舎に居を定めた時点で鶏を飼って、畑で育てている雑穀や野菜や雑草を食べてもらい、おいしい卵を頂く…、それが夢です(^^この夢に向けて、まだ鳥を飼う計画もないのに、山梨で大きな鶏のケージまで買ってしまった(笑)…さすがに、犬、猫、鶏と田舎と東京を毎週往復するのは無理だろうなぁ、ブレーメンの音楽隊じゃあるまいし(^^
by nicecuppatea | 2009-01-31 19:14
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